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技術情報・技術コラム

放電加工とは?メリット、デメリット、精度についても解説

今回の記事では、放電加工について説明します。メリットだけではなくデメリットについても紹介いたしますので、是非ご確認ください。

放電加工とは

加工液(水や油)の中で、電極と被加工物の間に電気による火花を起こし、その熱で金属を溶かして加工する方法です。通常の切削加工では加工出来ないような硬い金属にも、複雑な形状を精密に加工することが可能です。

放電加工のメリット

放電加工には以下の4つのメリットがあります。

①複雑形状の高精度加工

研削加工での作製が難しい複雑な形状でも、高精度に加工する事ができます。

②硬度が高い素材への加工が可能

超硬合金などの硬度が極めて高く、研削加工が難しい材料でも加工する事ができます。

③熱による変形がない

放電加工は加工液中で行われ、それによって冷却されるので、熱による変形が発生しません。

④バリが発生しない

切削加工の際に発生するバリが発生しない※ので、バリ除去の手間を抑える事ができます。

放電加工のデメリット

一方で、放電加工には以下のようなデメリットがあります。

①導電性が必要

電気を用いて素材を加工しますので、導電性のない材料は加工できません。

②加工時間が長い

被加工材を少しずつ放電エネルギーで溶かしながら加工していくので、加工時間がかかります。

③電極の準備が必要

型彫り放電加工の場合は、電極の形に加工されるので、目的の形状に合わせて電極を準備する必要があります。

④加工の向きが限定される

ワイヤ放電加工の場合は、ワイヤの向きが上下に固定されるので加工の向きが限定されます。

⑤研削加工とは異なる加工変質層が生じる

放電加工面は急速昇温と凝固により、図1のように研削加工とは明らかに異なる加工変質層が生じます。超硬合金の加工変質層は母材よりも機械的性能が低く、クラック等の欠陥もあるので、仕上げ加工等により可能な限り除去する事を推奨致します。

放電加工面と研削加工面の比較

放電加工に適している材質

放電加工に適している材質は、導電性のある材料で超硬合金などの硬度が高く切削加工が難しい材料になります。超硬合金材種の中で比較すると、粒子径が粗い材種の方が加工に適しています。理由としては、放電加工時に発生したマイクロクラックが進展する際に、粗い粒子の方がクラックの進展を阻害できるからです。図2は中粒子合金と超微粒子合金の研削加工後と放電加工後の抗折力測定結果です。超微粒子合金より中粒子合金の方が、放電加工後の抗折力の低下が抑えられている事が分かります。


また、油中では問題ありませんが水中で加工する場合は、図3のような腐食が発生する可能性があるため、長時間加工する場合等は耐食成分を含んだ材種が適しています。

耐食成分の有無による状態の比較

放電加工の精度

前述したとおり、放電加工により高精度加工が実現できます。あくまで目安であり、製品サイズ・仕様により異なりますが、実現できる精度を下記致します。

ワイヤ放電加工:寸法 / ±0.002mm 位置度 / ±0.002mm 面粗さ(RZ)/ 0.8
形彫放電加工 :寸法 / ±0.003mm 位置度 / ±0.003mm 面粗さ(RZ)/ 1.5
細穴放電加工 :寸法 / ±0.005mm 位置度 / ±0.003mm 面粗さ(RZ)/ 3

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